ステラマギカ ブローチの心-訪れた異変-

https://twitter.com/takunomi_athome/status/921345522698403840
↑このSSから、さらに2日後の話。

美枝子が変身せずに魔法で学校のトラブルをひそかに解決するようになってから数日が立った。
優二は学校で起きてる不思議な現象が美枝子によるものではないかと思ってはいたが、そのことを美枝子に問うことが出来ずにいた。

優二「もし今、美枝子ちゃんが学校で不完全な状態で魔法を使っているなら止めないと美枝子ちゃんの体が危ないかもしれない。でも、そのことで美枝子ちゃんが傷ついたりしたら・・・」

今までのこともあり美枝子のことが不安になるが、それを追及して今の美枝子との関係が壊れてしまったらと考えると言い出すことができない優二。

その頃自宅に戻り自分の部屋にいた美枝子は制服から私服に着替えてる途中であった。
着替えてる途中、美枝子はふと優二のことを思い浮かべていた。

美枝子「自分が学校で魔法を使っていることを優二くんが知ったら、私は嫌われちゃうかな?
だめ、そういうことは考えちゃ。心を強く持たないと人を助けることなんてできないもんね・・・」

服を着替え下着の姿になったその時、美枝子の体に異変が起きた。

美枝子「うっ・・・む、胸が、熱い・・・」


ふと自分の胸元をみる美枝子

美枝子「ブローチさん・・・?私、ブローチさんのこと呼んでないのに・・・」

そこには本来、美枝子の意志で胸元から出るブローチが美枝子の意志に関係なく自分の胸元に現れていたのである。

美枝子「えっ?ブローチさんどうしたの?なんでそんなに怒っているの!?」

普通の人間には聞こえず感じることのできないブローチからの意思と声を感じる美枝子。
そのブローチからの突然の怒りと憎しみの意思と声を感じ取った美枝子は動揺を隠せない。

美枝子「ち、違う!私、ブローチさんにそんな事思ったことなんて・・・きゃあッ!!」

次の瞬間、ブローチから今までにない凄まじい光が放たれる。そして美枝子はその光の中に瞬く間に包まれた。
光の中美枝子の体は宙に浮き、ブローチからは変身する際に現れるリボンが美枝子の意思に関係なく溢れかえる。光の中で服が破れ全裸になってしまった美枝子の体にブローチからあふれたリボンが体に巻き付く。
いつもは美枝子の意思通りにリボンがゆっくり動いて服を分解していき優しくリボンが体にフィットしてから体がゆっくりとステラマギカの体に変化するのだが、リボンは美枝子の意思を完全に無視してまるで体を締め付けるかの如く美枝子の体に強く巻き付き、肉体も急激に変化し始めた。

美枝子「や、やめてブローチさん・・・ううっ、く、苦しいよぉ・・・ッッ」

まるで美枝子に敵意があるかのように体にリボンを強く締め付け美枝子の体を急激に変化させるブローチ。通常変身する際にもリボンの締め付けによる痛みはあるのだが、その比ではなかった。
キュキュギュゥゥゥ・・・っといつも以上に音を立ててリボンで強く締め付けられてる上に、いつも以上に急激に胸や手足を大きくさせられているため美枝子には通常の変身とは
比べ物にならないぐらいの痛みがほとばしっていた。
髪の毛が太ももまで延び顔つきが成長を続けながら浮かべる美枝子の苦痛の表情と、リボンに締め付けられ若干揺れている胸やまともに動かせず小刻みに揺れる腕や手足がそれを物語っていた。

しばらくして光は収まり、宙に浮いていた美枝子の体は部屋の床に落ちる。

美枝子「ううっ、何とか収まったぁ・・・」

ゆっくりと起き上がる美枝子。するとすぐに自分の腕の異変に気付く。
ステラマギカに変身する際に現れるピンクの手袋をつけたままなのである。
不思議に思い手袋を脱ごうとするが

美枝子「・・・取れない。まるで体にべったりとくっついてるみたい・・・」

手袋は美枝子の腕と癒着しており、美枝子の体の1部と化していた。
そしてすぐに足や髪や自分の声の異変に気付いた美枝子。
急いで今の自分の姿を洗面台の鏡で確認する。

美枝子「い、嫌ぁぁっ!何これ!!?・・・お願い、元に戻して!・・・嘘・・・なんで戻ってくれないの!!?ねえ答えて!ねえ!?」

必死に呼び掛けても何も起きなくなったブローチ。翠色に輝いていたブローチはその光を失い、無機質なただの黒いアクセサリーと化していた。

しばらくして優二の携帯が鳴り美枝子から電話がかかってきた。

優二「あ、美枝子ちゃん。どうしたの?」
美枝子「ゆ、優二くん・・・今、うちにこれそう?」
優二「あれ?美枝子ちゃん。もしかして今、変身してるの?」
美枝子「今は詳しく話せない。とにかく今すぐうちに来てもらえないかな・・・?」

突然の電話ではあったが、いつも違う声の雰囲気に美枝子の身に何かとんでもないことが起きていると悟った優二は電話を終えた後すぐさま自転車で美枝子の家に急ぐ。

美枝子の家にはいった優二は、閉じられた美枝子の部屋を見てよからぬことが起きていると確信する。

優二「美枝子ちゃん、今部屋にいるんだよね?」
美枝子「うん、入って」
優二「わかった」

恐る恐る部屋の扉を開ける優二。
すると後ろ向きでピンクのレオタード姿の美枝子がそこにいた。
すぐに振り返って「ゆ、優二くん・・・」と涙声で優二のほうに体を向ける美枝子。
振り向いた美枝子の姿に愕然とする優二。

服装はまるで変身中のまま服装が中途半端になったようなピンクのレオタード。
↓(この服装)


目の色は右は美枝子と同じブラウンなのだが左はステラマギカと同じ翠色となり、
髪は太ももまで延び髪の色も右は黒髪、左は金髪となっていた。
↓(目の色は無理でしたが、髪の毛の長さや雰囲気と色は雰囲気的にはこういう感じで)


そしてその体系と声は、間違いなく優二が知っているステラマギカのものであった。
だがしゃべり方は間違いなく美枝子のものであり、以前起きた体形だけが成長してしまったあの現象と同じことが再び起きてしまったのだと優二は思った。
恐る恐る優二は美枝子に問いかける。

優二「・・・学校でも、魔法を使ってたの・・・?」
美枝子「・・・うん」

小さな声で返事する美枝子。
薄々と感づいていたのに聞き出せなかった自分を悔やむ優二と、安直に魔法を使ってしまったことへの後悔に沈む美枝子。

美枝子「ごめんなさい優二くん・・・!私・・・私・・・!」
泣きじゃくる美枝子を強く抱きしめる優二。
優二「お願い、自分を責めないで。こうなったのも美枝子ちゃんに聞くことができなかった僕が弱虫だったのがいけないんだから・・・」

優二は美枝子に頼み、黒くなった美枝子の胸元のブローチに手を当てる。

優二「前に感じたブローチに宿ってる意志を感じられない。これはもうただのアクセサリーになってるんだ。だとしたら、ブローチの意志はどこか別の場所に移動しているかもしれない。元に戻るにはその意志が今どこにいるのか探さないとね」
美枝子「ブローチさんの意志が、私を嫌いになっちゃったってこと?」
優二「それはブローチの意志と対話しないとわからない。まずその意志が今どこにいるのかを探すことから始めないと。とりあえず美枝子ちゃんのお母さんに今の事情を説明しよう。僕や美枝子ちゃんの力だけで解決するのは、すまないけどまず無理だよ。」
美枝子「うん・・・解った」

涙声で小さく返事をする美枝子。
正しい事だと考えて安直に行った事への重い代償が優二と美枝子に重くのしかかっていた。

コメント

  1. 僕としては、美枝子ちゃんは拙速だっただけで間違っていないと思うんですよ。
    やり方とか加減がわかってなかっただけ。
    こっそりいろいろ解決する美枝子ちゃんももっと見たいし。

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    返信
    1. その考えは同意です。個人的には今回の小説よりも前にこっそりと解決する美枝子ちゃんの活躍も描きたいという気持ちはありますねぇ・・・。
      やり方とか加減がわかっていなかったことがこの先どうなるかってところだと自分は思っていますわ。。

      削除

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