ステラマギカ 戻す決意－隠された部屋の中－

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↑このSSの続き、彗子さんが家に戻ってからの話。

彗子「ただいまぁ～・・・ってあれっ？」
優二「ああっ・・・どうも、お邪魔してまーす・・・」

夜9時ごろ美枝子の家に帰ってきた彗子を玄関でなんとも苦笑いな小声で迎える優二。

彗子「ちょっと優二君？お母さん心配してるんじゃないの？もう夜遅いんだから早く家に帰らないと。・・・ところで美枝子は？自分の部屋にいるの？」
優二「ええっと、美枝子ちゃんは自分の部屋にいるんですけど・・・実は、そのぉ・・・」
彗子「その、何？」
優二「ともかく部屋に来ればわかりますんで、部屋に来てくれませんか？」
彗子「そ、そう？ともかく美枝子は部屋にいるのね？」

彗子を2階の美枝子の部屋に連れていく優二。
美枝子の部屋の前に行くとドアの前で彗子は美枝子に呼びかける。

彗子「ただいま～美枝子」
美枝子「マ、ママ・・・？」
彗子「美枝子、部屋に入っていい？」
美枝子「う、うん」

そっと部屋のドアを開ける彗子。
そしてその目の前には服が脱げなくなったうえに体形や髪がのび、髪や目の色が左右で違う変わり果てた美枝子の姿があった。

彗子「・・・・美枝子、大沢君。こうなった事情を詳しく話してくれるわよね？」
美枝子「うん・・・ママ・・・」

泣きながらうなずく美枝子。
美枝子と優二は今回起きた事のいきさつを彗子に話した。

学校において美枝子が隠れて変身をしていたこと、それが不完全なものであったこと、
そして突然ブローチが怒り美枝子を不完全な状態に変身させた上にブローチ自身が力をなくし元に戻れなくなってしまったこと。

それらを詳しく話した後、彗子は2人に告げた。

彗子「そもそも魔力自体が私たちの価値観からすれば未知数だからねぇ。私たちがいくら魔力への耐性を強くしようとしても魔法は種類によってはそれ以上の力があるから本来私たちの次元で使うとなると、おおなかれすくなかれデメリットは出てくるものなの。
　ステラマギカの力を大きく受け継いで転生した美枝子は普通の人間以上に魔力の力や耐性が強くなってるはずなんだけど、
　その反面不確定要素が今までのステラマギカに転生した人たち以上に大きく出てくるのかもしれないわね」
美枝子「じゃあ、私の体は・・・どうなっちゃうの？」
彗子「今はとにかくやれることをやるの！美枝子を元に戻すことが親としての責任だもの」

今までにないぐらいに決意と信念を見せる彗子の姿にただただ頷くしかない優二。
そして、彗子はあとはこちらでなんとかするからと優二にちゃんと家に帰るようにいった。優二側の両親に不安を与えてはならない上に、美枝子がステラマギカという存在であることを感づかせては元も子もないのである。

優二「じゃあ、美枝子ちゃんのことよろしくお願いします」
彗子「そっちも気をつけて帰るのよ。あと、今の美枝子のことは他の人に本当に内緒にしてね。私も美枝子のこと絶対元に戻して見せるからね！」
優二「は、はい・・・！」

優二を見送った彗子は美枝子を自分の寝室へと向かわせる。

すると部屋の何もない壁にむかって彗子は何らかの呪文を唱え始めた。

その呪文の内容は美枝子が今まで全く知らなかったものではあるが

何らかの扉を開けるためのパスワード的なものであると呪文の内容から美枝子は悟った。

彗子が呪文を終えると突然壁の中から鉄でできたようなドアが現れた。

ドアには様々な装飾が施されており、ドアの上部分には先代のステラマギカと思われる彫刻らしきものが施されていた。

彗子「この部屋を美枝子に見せる日が来るなんてねぇ・・・入って美枝子」

おもむろにドアを開ける彗子。

美枝子「す、すごく広い・・・それに、本が図書館みたいにいっぱい並んでる・・・」

ドアの中には、木の床と柱で出来た広い空間が広がっていた。

部屋の中にはおそらく百年以上前のものと思われる分厚い本が並び、先代のステラマギカが利用したと思われるステッキやドレス、魔法で使われるような水晶や宝石類などがケースに置かれて保管されていた。

彗子「ここには現存しているステラマギカに関する本や資料がおいてあるの。私に魔法を教えてくれた師匠のおばあさんに言われてね」

美枝子「師匠のおばあさん・・・？」

彗子「ちょうど私が今の美枝子と同じぐらいの年の時に出会った人で、大体の魔法はその人から教わったものなの。ともかくここにある文献から美枝子を元に戻す手がかりを探さないとね」

呪文による本の検索を始める彗子とそれを見る不安げな表情の美枝子。

そこにある手がかりは、果たして美枝子に何をもたらすのだろうか・・・。