戻った体-イレギュラーな変身-
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↑この小説から5日後の話。
優二「美枝子ちゃん、あれからどうしてるだろ。何か戻る方法が見つかったのかなぁ・・・?」
休日を挟み美枝子の体が戻らなくなってから5日ほど立った。いまだに学校にも姿を見せず、電話やメールも美枝子からの返事もない状態が続き優二の心情にも不安が募る一方だった。
美枝子「う、うん。ごめんね優二くん、だいぶ心配かけちゃって・・・」
優二「いいよいいよ。美枝子ちゃんが元気でいてくれただけで本当に良かった!」
美枝子「あ、ありがとう。じ、実はなんだけど」
優二「どうしたの?」
美枝子「元には戻ることはできたんだけど、私・・・もう変身できなくなっちゃかもしれないの」
優二「え、それって一体どういう・・・」
美枝子「とにかく詳しいことは放課後優二君の部屋で話したいんだけど、いいかな?」
優二「う、うんっ」
そして放課後、美枝子は優二の部屋で優二に自分に何があったのか話し始めた。
美枝子「まず私の体や服が元に戻らなくなった理由なんだけど、元々人間と異世界の人の間の子供っていうのは強大な魔力を持ってる反面制御が思った以上に難しいらしいの。
私の場合は、何百年に一度あらわれる普通の倍近くある人間らしくて間違えたら取り返しがつかないことになるかもしれないらしいの」
優二「それって、ステラマギカちゃんに変身するのも思った以上に危険だってことなの?」
美枝子「うん。もともとステラマギカの服装というのは正確には服じゃなくて、体内の魔力が服装のような姿になって肉体の一部になるものなの。だから魔力のバランスが保てなくなると服が完全に肉体そのものになっちゃうから元に戻れなくなるらしいの」
優二「そ、そうなんだ」
美枝子「ブローチさんは、ステラマギカとしての変身をするため以外の使い方を私が何度もしちゃったせいで怒って服を体とくっ付けちゃった上に私を変身できないようにさせちゃったの。それでブローチさんの宿っていた意思もそのままどこかに飛んで行っちゃったんだよね」
優二「そっか。じゃあもう美枝子ちゃんは変身はできないんだ。まあ仕方ないさ、美枝子ちゃんが無事で本当に何よりだし・・・」
美枝子「優二くん・・・ちょっと、見てもらえるかな」
すると、突然美枝子は服を脱ぎだし始めた。
優二「え、ちょっと。美枝子ちゃん!!?」
唐突に下着姿になった美枝子。そしてその胸元には変身する時に現れるブローチがついていた。だがブローチの色はステラマギカに変身する際にみせたあでやかな緑色ではなく、無機質な黒い色になっていた。
優二「服も体形も元に戻ったのに、どうしてブローチだけ残ってるんだ・・・」
美枝子「わからない。魔力が抜けてもう変身はできないはずなのに、このブローチだけ体に残っちゃったんだよね」
その後美枝子は優二に、どのように元に戻ったのかを話し始めた。
美枝子「体についた服を消すのと、体をもとに戻すのは魔法の系統が別々なものだったからいろいろと厄介だったよ。その上に、私の体と1つになってたステラマギカの服装を消すのは大変だったの。体の一部になっていた服を分離しないといけない感じだったからね。体の方も、今の私の体に戻す方法を見つけるのが苦労したの。元に戻すといっても赤ちゃんまで戻っちゃ取り返しがつかないことになるし・・・本当に大変だった」
優二「いろいろと大変だっただね・・・体や精神は大丈夫なの?」
美枝子「うん、大丈夫。ママが本当に必死で私をもとに戻してくれたからママにもお礼を言ってもらえるかな」
優二「解ったよ。本当に美枝子ちゃんのお母さんに感謝しないとね!」
美枝子「うん、本当にありがとう!」
その夜、美枝子は普段通りに入浴し髪を洗っていた。
美枝子「誰か助けを呼ぶ声も聞こえなくなっちゃった。もう変身はできないのはわかってるけど、誰かステラマギカに助けを求める人はきっといるんだよね・・・」
ふと、胸に残ったままの黒いブローチを見る。
美枝子「どうしてブローチさんは体に残ったままなんだろう?もう私に魔力はないはずなのに・・・えっ?!」
すると突然ブローチが緑に激しく光りだした。
あまりの出来事に驚く美枝子。
美枝子「ど、どうして!?ブローチさんの意思や私の魔力はなくなってるはずなのに!キャアッッ!!」
そしてブローチは光ったまま窓をすり抜けどこかへ飛んで行ったのである。
美枝子「・・・な、なんだったんだろう今のは・・・あ!ブローチさんがいない!?」
美枝子の胸元についていたブローチは体に何の痕跡も残さずその姿を消したのである。
突然の出来事に困惑する美枝子。
美枝子「どういう事なんだろう。ブローチさんはどこに行っちゃったんだろう・・・」
それから1日たった夜、自宅にいた優二はもうあるはずのない気配を強く感じ取った。
優二「あ、あれ?ステラマギカちゃんの気配を感じる・・・もう美枝子ちゃんは変身できないはずなのに、こんなに強い気配を感じるなんて・・・まさか美枝子ちゃんに何かあったんじゃ!?」
居ても立っても居られない優二は、家を飛び出し自転車でステラマギカの気配を感じた場所に駆け付ける。何もない草むらではあったが、その場所に優二はよく知ってる気配と反応を間違いなく感じていた。
優二「あそこで座り込んでるのは・・・嘘?!ステラマギカちゃんだ・・・」
薄っすらと見えたその姿は間違いなく自分がよく知ってるステラマギカの服装であった。
そして声をかける優二。
優二「美枝子ちゃん!?どうしてまた変身を・・・えっ!!?」
確かに声をかけた優二、そして顔を見せるステラマギカ。
ステラマギカ「だ・・・誰か・・・助けてよぉぉぉ・・・」
だが、それは優二の知っているステラマギカではなかった。
服装こそ同じだが声や体つき、顔立ちはまるで別人であり、さらに顔にはメガネをしていたのである。
美枝子ではない別人が変身をしていたという事実に困惑する優二。
優二「み、美枝子ちゃんじゃない・・・?き、君は誰なんだい・・・?」
泣きじゃくるばかりでそれどころではないステラマギカをみて、美枝子に事情を説明するために何とかステラマギカを自転車に乗せて美枝子の家に向かう優二と別人のステラマギカ。
一体どうしてこんなことになったのか。
そして、変身してしまったこのステラマギカはいったい誰なのか・・。
↑この小説から5日後の話。
優二「美枝子ちゃん、あれからどうしてるだろ。何か戻る方法が見つかったのかなぁ・・・?」
休日を挟み美枝子の体が戻らなくなってから5日ほど立った。いまだに学校にも姿を見せず、電話やメールも美枝子からの返事もない状態が続き優二の心情にも不安が募る一方だった。
水曜の給食後の昼休み、そんなことを考えていた時のことである。
優二「あ、あれ!?美枝子ちゃん・・・?」
校門から学校へと続く道を細々と歩くその姿を見て思わず優二は声をかける。
優二「美枝子ちゃん!今までどうしてたの?体の方は大丈夫?」
美枝子「う、うん。ごめんね優二くん、だいぶ心配かけちゃって・・・」
優二「いいよいいよ。美枝子ちゃんが元気でいてくれただけで本当に良かった!」
美枝子「あ、ありがとう。じ、実はなんだけど」
優二「どうしたの?」
美枝子「元には戻ることはできたんだけど、私・・・もう変身できなくなっちゃかもしれないの」
優二「え、それって一体どういう・・・」
美枝子「とにかく詳しいことは放課後優二君の部屋で話したいんだけど、いいかな?」
優二「う、うんっ」
そして放課後、美枝子は優二の部屋で優二に自分に何があったのか話し始めた。
美枝子「まず私の体や服が元に戻らなくなった理由なんだけど、元々人間と異世界の人の間の子供っていうのは強大な魔力を持ってる反面制御が思った以上に難しいらしいの。
私の場合は、何百年に一度あらわれる普通の倍近くある人間らしくて間違えたら取り返しがつかないことになるかもしれないらしいの」
優二「それって、ステラマギカちゃんに変身するのも思った以上に危険だってことなの?」
美枝子「うん。もともとステラマギカの服装というのは正確には服じゃなくて、体内の魔力が服装のような姿になって肉体の一部になるものなの。だから魔力のバランスが保てなくなると服が完全に肉体そのものになっちゃうから元に戻れなくなるらしいの」
優二「そ、そうなんだ」
美枝子「ブローチさんは、ステラマギカとしての変身をするため以外の使い方を私が何度もしちゃったせいで怒って服を体とくっ付けちゃった上に私を変身できないようにさせちゃったの。それでブローチさんの宿っていた意思もそのままどこかに飛んで行っちゃったんだよね」
優二「そっか。じゃあもう美枝子ちゃんは変身はできないんだ。まあ仕方ないさ、美枝子ちゃんが無事で本当に何よりだし・・・」
美枝子「優二くん・・・ちょっと、見てもらえるかな」
すると、突然美枝子は服を脱ぎだし始めた。
優二「え、ちょっと。美枝子ちゃん!!?」
唐突に下着姿になった美枝子。そしてその胸元には変身する時に現れるブローチがついていた。だがブローチの色はステラマギカに変身する際にみせたあでやかな緑色ではなく、無機質な黒い色になっていた。
優二「服も体形も元に戻ったのに、どうしてブローチだけ残ってるんだ・・・」
美枝子「わからない。魔力が抜けてもう変身はできないはずなのに、このブローチだけ体に残っちゃったんだよね」
その後美枝子は優二に、どのように元に戻ったのかを話し始めた。
美枝子「体についた服を消すのと、体をもとに戻すのは魔法の系統が別々なものだったからいろいろと厄介だったよ。その上に、私の体と1つになってたステラマギカの服装を消すのは大変だったの。体の一部になっていた服を分離しないといけない感じだったからね。体の方も、今の私の体に戻す方法を見つけるのが苦労したの。元に戻すといっても赤ちゃんまで戻っちゃ取り返しがつかないことになるし・・・本当に大変だった」
優二「いろいろと大変だっただね・・・体や精神は大丈夫なの?」
美枝子「うん、大丈夫。ママが本当に必死で私をもとに戻してくれたからママにもお礼を言ってもらえるかな」
優二「解ったよ。本当に美枝子ちゃんのお母さんに感謝しないとね!」
美枝子「うん、本当にありがとう!」
その夜、美枝子は普段通りに入浴し髪を洗っていた。
美枝子「誰か助けを呼ぶ声も聞こえなくなっちゃった。もう変身はできないのはわかってるけど、誰かステラマギカに助けを求める人はきっといるんだよね・・・」
ふと、胸に残ったままの黒いブローチを見る。
美枝子「どうしてブローチさんは体に残ったままなんだろう?もう私に魔力はないはずなのに・・・えっ?!」
すると突然ブローチが緑に激しく光りだした。
あまりの出来事に驚く美枝子。
美枝子「ど、どうして!?ブローチさんの意思や私の魔力はなくなってるはずなのに!キャアッッ!!」
そしてブローチは光ったまま窓をすり抜けどこかへ飛んで行ったのである。
美枝子「・・・な、なんだったんだろう今のは・・・あ!ブローチさんがいない!?」
美枝子の胸元についていたブローチは体に何の痕跡も残さずその姿を消したのである。
突然の出来事に困惑する美枝子。
美枝子「どういう事なんだろう。ブローチさんはどこに行っちゃったんだろう・・・」
それから1日たった夜、自宅にいた優二はもうあるはずのない気配を強く感じ取った。
優二「あ、あれ?ステラマギカちゃんの気配を感じる・・・もう美枝子ちゃんは変身できないはずなのに、こんなに強い気配を感じるなんて・・・まさか美枝子ちゃんに何かあったんじゃ!?」
居ても立っても居られない優二は、家を飛び出し自転車でステラマギカの気配を感じた場所に駆け付ける。何もない草むらではあったが、その場所に優二はよく知ってる気配と反応を間違いなく感じていた。
優二「あそこで座り込んでるのは・・・嘘?!ステラマギカちゃんだ・・・」
薄っすらと見えたその姿は間違いなく自分がよく知ってるステラマギカの服装であった。
そして声をかける優二。
優二「美枝子ちゃん!?どうしてまた変身を・・・えっ!!?」
確かに声をかけた優二、そして顔を見せるステラマギカ。
ステラマギカ「だ・・・誰か・・・助けてよぉぉぉ・・・」
だが、それは優二の知っているステラマギカではなかった。
服装こそ同じだが声や体つき、顔立ちはまるで別人であり、さらに顔にはメガネをしていたのである。
美枝子ではない別人が変身をしていたという事実に困惑する優二。
優二「み、美枝子ちゃんじゃない・・・?き、君は誰なんだい・・・?」
泣きじゃくるばかりでそれどころではないステラマギカをみて、美枝子に事情を説明するために何とかステラマギカを自転車に乗せて美枝子の家に向かう優二と別人のステラマギカ。
一体どうしてこんなことになったのか。
そして、変身してしまったこのステラマギカはいったい誰なのか・・。
素肌にブローチさんがひっついてるってのは、カラータイマーの状態なのかな? 本来なら、ブローチさんはからだのなかに埋め込まれて、物質ではない形で美枝子ちゃんの体全体に散らばっているのでしょうから。
返信削除それにしても、優二くんには見せていないけど、美枝子ちゃんはこの5日間でものすごい修行して、魔術レベルはかなり上がってるはずです。そして、このあと優二くんは、きっと魔法少女として格段に成長した美枝子ちゃんを見届けることになるんだとおもいます。
そして、多分、美枝子ちゃんのパパも、この世界で弱いながら超能力を持っていて、二人三脚で活躍してたんだと思うんですよ。この時の件では関わらないながら心配しながら見守っていたのだとおもいます。
>素肌にブローチさんがひっついてるってのは、カラータイマーの状態なのかな?
削除おそらくは変身する時にブローチさんがその形状をあらわにするような方式だと考えていただければと思います。生まれついて美枝子ちゃんの体内に見えない形で散らばってると自分も思っているのでブローチさんの意思を美枝子ちゃんは(自分の意思に関係なく)ダイレクトに感じてしまう事があるかもしれません。
>この5日間でものすごい修行して
うーんどういう感じのことをしたのか気になるところですよねぇ・・・
あとはどういう風にして元の体に戻ったのかも色々と考えたくなります。。
美枝子ちゃんパパもどんな人なのか色々と想像させられました。
個人的にはママが頼りになる人柄だと思ってるので、メガネをしてて妙に頼りないけど美枝子ちゃんを陰ながら応援してる、典型的なサラリーマン系な感じなのかなぁ…って思っています。