新たな変身ー想いと提案ー

優二が美枝子のステラマギカの秘密をしり協力するようになってから一か月。
二人が協力して密かに町や市の人々を助けていることはまだ学校や町の人に気づかれておらず、二人がステラマギカの活動について話し合う時は自分たちが通っている学校の体育館裏の狭い隙間で密かに行っていた。
これから魔法をいかにして使うのかという事もそうだが、二人が今話し合っている事は「ステラマギカの変身する時」の事であった。

優二「うーん、実は前から思っていた事があるんだけどいいかな?」

美枝子「え・・・えっと、何?」

優二「ステラマギカちゃんに変身する姿は僕と美枝子にしか見えないけど、美枝子ちゃんは変身する時どうしても服が脱げて裸にならないといけない時があるよね?」

美枝子「そ、そうだね・・・どうしても元の服装を魔力で分解する時にそうなっちゃうみたいだけど・・・」

優二「僕やっぱり思ったんだ。変身するからと言って美枝子ちゃんがそんな恥ずかしい想いをしちゃいいけないって」

美枝子「だ、だけど・・・」

優二は美枝子の手を握って強い面持ちで話す。

優二「確かにステラマギカちゃんは本当にアニメで出てくるような変身ヒロインだと僕は思う。だけどここはアニメ世界じゃなくて現実の世界なんだ。やっぱりどんな理由があっても人を助けるために頑張る美枝子ちゃんが恥ずかしい目に合うのは、絶対間違ってるはずなんだ!」

美枝子「う、うん・・・ありがとう」

優二「とにかく今よりも体を露出せずに変身する方法を考えよう。えっと何とか今着てる制服の形を崩さずに変身できればいいんだけど、今の僕たちの力でどこまでできるのか解らないから今できる範囲でやってみようか?」

美枝子「この制服を崩さずに変身する方法・・・うーん・・・」

優二「たとえば今まで魔力を体全体を覆うようにかけて変身していたのだとしたら、何か魔力の流れを特定の部分に集中させたり服装を生成したい部分にだけ変身する分の魔力のリボンを最小限に巻き付けて変身するという事もできると思うんだけどね」

美枝子「魔力の流れを体の部分に集中させる・・・前にハルエさんやママがより精神や気持ちを穏やかにさせれば最小限の魔力で変身する事もできるって言ってたけど、そのためにはまだ心の修行をする必要があるってハルエさんが言ってた」

優二「心の修行か・・・呼吸や座禅で精神統一をするような感じの事を繰り返す必要があるって事?」

美枝子「まだよくわからない。ただ魔力の流れを正しく理解することが魔力に携わる者の条件だってハルエさんは言ってたの。だから前よりも魔力の流れを私自身がつかめるように努力する必要があるって思ってるんだけど・・・」

優二「うーん、となるとまず魔力の流れを掴み、そこからどうやって服を着た状態で変身するかって事から考えてみようか?」

美枝子「う、うん・・・ありがとう・・・優二くん」

ほんの少し赤らめながらも前向きな言葉と小さな笑顔を見せる美枝子。

新たな変身の方法を語る2人の姿は、ステラマギカという存在を改めて認識しているように感じられた。

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